英語学習ブログ

【プレゼンが上達するコツ】最初の1分で決まる!プレゼンの成否を分ける3つの「つかみ」のテクニック

プレゼンの結果は最初の1分の「つかみ」で決まる

人は最初の印象で相手のことを判断しがちです。プレゼンも同様で、最初の印象が良いと、後に目立つミスがなければ、「全体的によかった」と評価されます。プレゼンは最初の1分の「話し始めのつかみ」でプレゼンの成否が分かれます。「つかみ」に長けた人だと、初めに興味を示さなかった相手にすら、興味を持たせることができ、商機を逃さずに営業できます。この記事では、ビジネス英会話やプレゼンの指導をしている筆者が、プレゼンの「つかみ」を成功さえる3つのテクニックについてご紹介します。

なぜ、人間は直感かつ瞬時に印象をつくるのか?システム1の作用

人間の脳の認知機能には、大きく分けると2つのシステムがあります。物事を直観的に判断する「システム1」と、論理的に考える「システム2」です。第一印象は、システム1にによってつくられます。なぜなら自然界で生き残るために、人間は最初の1分で直感的にかつ瞬時に判断をする必要があったからです。プレゼンの導入部分で、大半の人々がプレゼンの良し悪しを決めてしまうのは、このためです。

最初に、聞き手の気持ちが離れてしまったら最後。それ以降の話は聞いてもらえません。逆に、最初の「つかみ」がうまくいけば、聞き手が最後まで興味を持って話を聞いてくれます。つまり、プレゼンを成功させるには、「話しのつかみ」のテクニックを習得することが重要です。

プレゼンテーションをはじめる時に以下の3つのテクニックを使うと、聞き手に興味を持って聴いてもらえます。

今すぐできるプレゼンの3つの「つかみ」のテクニック

1.質問を投げかける

「早速ですが、皆様にお聞きしたいことがあります。この中で、最近運動不足な方はいらっしゃいますか?」
⇒聞き手のほとんどが挙手
「それでは次に、ジムに行くのが面倒だと思われている方はいらっしゃいますか?」
⇒聞き手のほとんどが挙手
「安心してください。自宅で器具を使わずに、運動できる方法があります。」(自宅でできる運動について書いた本を紹介する)

いきなり、本の解説から始めるのではなく、まずは質問をすることで、聞き手がプレゼンに参加し、話を聞いてくれます。「運動は、大事だけど、ジムに行くのは面倒だ」という潜在的な悩みを明らかにし、自宅でできる運動について書いた本を紹介するという流れです。

2. 過去の秘密や辛い体験を打ち明ける

例1「(1枚の子供の写真のスライドを見せて)これは私の子供です。最初に告白します。私は何年も、子供ができませんでした。」
(官公庁主催のプレゼン大会で200組の内、2位に入賞した受講生のプレゼンより引用)

冒頭でご自身の苦しい経験を聞き手と共有し、聞き手からの共感を得る巧みなつかみです。
このつかみの後、不妊治療のアプリのサービスへと話を展開していきます。

例2「20代の頃、私は大きな壁にぶつかっていました。毎回、企画をつくっても、上司からダメだしを食らい、会社を辞めたいと思うまで追い詰められました。しかし、上司のある一言で私はハッとしました。『君は使う人のことを本気で考えているか?』。
この言葉が私の人生を変えました。(新商品の企画の提案に成功した受講生のプレゼンより引用)

このように、他人に打ち明けづらい話を共有ことで、聞き手は話し手に親近感を持ち応援したくなります。最初に、これらのエピソードを入れることが効果的です。

3. あいさつの前に間を空ける

聞き手に関心を持たせる一番有効なテクニックです。沈黙はあらゆるコミュニケーションの中で、最も強力な表現だと言われています。プロの俳優や芸人の方はそれを心得ているので、間の技術に長けています。プロレベルの技術がなくても、冒頭のあいさつの前に「沈黙の間」を2~3秒入れるだけで、聞き手は話し手に注意を向けてくれます。もちろん、最初のあいさつは、明るくさわやかに姿勢良くすることは基本です。

例「2〜3秒の間(これから話をする気持ちを整える)」
「みなさん、こんにちは。本日はこのような機会をいただき、誠にありがとうございます。」

まとめ

今すぐできるプレゼンの3つの「つかみ」のテクニックは下記の3つです。

1.質問を投げかける
2. 過去の秘密や辛い体験を打ち明ける
3. あいさつの前に間を空ける

今すぐできるプレゼンの3つの「つかみ」のテクニックを使い、プレゼンを成功させましょう。

【プロフィール】

Toshiyuki Takiuchi(瀧内俊之)

関西学院大学で言語学、英語学、欧米文化について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻し、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、NHKドラマで英語指導を担当。その後、大手英語コーチングスクールにて指導経験を積み、独立。ビジネス英語コーチングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、TOEIC® L&Rの指導を行い、3か月で375点のスコアアップを記録。世界で活躍する起業家を育てる「Global Challenge」でビジネス英会話の指導を行い、受講生が、200組のうち、4組の選抜組に入賞。シリコンバレーの海外投資家にプレゼンする権利を獲得させた。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。

Joseph DeChicchis(デキキス・ジョー)

関西学院大学総合政策学部教授。アメリカのペンシルベニア大学で言語学、イタリアのボローニャ大学で記号論、イギリスのサセックス大学で認知科学を学ぶ。現在は言語学、人類言語学、欧米文化コミュニケーションの研究に従事。世界の英語アクセントに精通している。関西学院大学の研究生に対し、言語学や認知科学、英語習得法について指導している。The DooRでは、カリキュラムアドバイザーとして、発音矯正、スピーキングスキルの強化、プレゼン対策など、受講生に対する英語コーチング指導のアドバイス、教材の監修を担当している。

 

Mitsuru Arakawa(荒川満)

大学卒業後、大手人材紹介会社に入社。大阪支店にて人材紹介の営業に従事。同グループのイギリス法人にて営業マネージャーとして営業体制の再構築を担当、取締役に就任し海外法人の経営に携わる。帰国後、東京本社にて海外就職希望者の海外転職、日系企業の海外進出を支援する部門のマネージャーとして勤務。同社を退職後、シンガポールにてArchAgent Pte Ltdを設立し、代表取締役社長を務める。The DooRでは、グローバルキャリアアドバイザーとして、英語面接の対策、英文レジュメの作成、海外での起業など、キャリアアップに関する英語コーチング指導のアドバイスを行っている。

関連記事一覧