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スタートアップ

スタートアップに英語力とプレゼンスキルが必要な理由とは? 海外投資家向けのプレゼンを指導した英語トレーナーが教えます!

起業家は「お金を回す」ことが何よりも重要

スタートアップを中心とした起業家の方々から「良い投資家が見つからない。。。。」「投資家と話したが、資金調達ができなかった。。。。」という声を頂きます。

大抵のスタートアップの起業家の方は、卓越したプロダクトやビジネスモデル、優秀なチームが事業運営において重要だと認識されています。それは、もちろん重要ですが、以上に大事なのは、「お金をうまく回していくこと」です。その上でスタートアップは投資家からの資金調達に成功するかどうかが何よりも重要になります。

スタートアップは資金調達のため、英語力とプレゼン力が必要

スタートアップの起業家が投資家から資金調達を成功させるには、英語力とプレゼンテーション能力が絶対的に必要です。なぜスタートアップの資金調達に英語力とプレゼンテーション能力が必要なのでしょうか?

これを理解するには、※スタートアップと中小企業 (スモールビジネス)の定義の違いを理解する必要があります。ちなみに、日本でいう、ベンチャー企業は和製英語です。英語では、中小企業(スモールビジネス)が正しい表現になります。

※スタートアップは下記の2点を満たしている企業と言えます。
①新しいビジネスモデルをつくり、ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達をして、世の中にイノベーションを起こす新興企業
短期間で市場における急激な成長と事業の売却をする事で巨額の富を得る企業

急激な成長

スタートアップは、企業を立ち上げた直後に、新しいプロダクトとビジネスモデルを考え、ベンチャーキャピタル(VC)から当面の資金を調達します。そして市場の反応を見て、ダメそうだったらすぐに方向転換(ピボット)を行い、より市場に受けそうなビジネスモデルに変えていきます。その後方向性が定まった時点で2度目、3度目の資金調達を経て、事業を成長させた後、売却することを目指します。

逆に中小企業 (スモールビジネス)は下記の2点を満たしていると言えます。
①世の中に浸透しているビジネスモデルで事業展開をして、銀行から融資を受けて安定した収益と長期成長を目指す企業
長期間で既存の市場の中で着実に成長し、安定的な株価の上昇を目指す企業

中小企業(スモールビジネス)は銀行から融資してもらい、すでに確立された市場の中で既存のビジネスモデルを採用し、着実に、市場の中のパイを増やして、株価を上げていくこと目指します。

スタートアップはVCに英語でプレゼンする必要がある

上記のように、スタートアップと中小企業は、目指すゴールが違うので、資金の調達先が違います。中小企業は銀行の担当窓口に行ってアポイントを取り、事業計画書を作成、提出し、銀行の担当者とゆっくり時間をかけて、今後のビジネスや売上見込みの話をすることができます。

しかし、スタートアップは、新しいビジネスモデルをつくっても、ベンチャーキャピタリスト(VC)に時間をつくってもらい、ビジネスモデルや売上の見込みの話をゆっくり聞いてもらえることはまずありません。スタートアップは投資家に短時間で自社のプロダクトの素晴らしさをプレゼンテーションする必要があるのです。

スタートアップが資金調達をしてもらうためには、主に下記の2つの流れがあります。

プロセス①※国内・海外ピッチの大会に出る→興味を持ったVCと連絡先を交換→アポイント→ディスカッション→VCの資金調達
プロセス②プロダクトの資料をの国内・海外のVCに送り、アポイント→ピッチ→ディスカッション→VCの資金調達

の2パターンがあります。そして①が王道です。

※ピッチとは投資家へ向けた短い(多くの場合、3-5分)のプレゼンテーションを指します。

国内・海外でピッチをするケース

まず、プロセス①ですが、投資家の集まるピッチ大会に出て、投資家と連絡先を交換し、アポイントを取り、具体的なディスカッションへと進むケースが一般的です。そして圧倒的に資金力を持っているVCはシリコンバレーや中国を中心に集まっています。つまり、大きな資金調達をするには、英語でピッチすることが最低限の条件なのです。

英語-presentation-プレゼン-ピッチ

このように、スタートアップの起業家は英語力とプレゼン力が絶対的に必要になります。

1日に何十件ものピッチを聞いている投資家の前では、最初の数分間で投資家の心を掴み、後日改めてアポイントを設定することが大切です。投資家はピッチの最初の数分間でその企業に投資するかどうかの決断をほぼ決めていると言われます。逆に言うと、その数分間でVCの心を掴む事が出来れば資金調達への扉が開きます。しかしながら、ピッチの練習不足やプレゼンテーションの表現不足、英語能力が足りないことが原因で、素晴らしいプロダクトが世に出ないことは多々あります。

アポイントをとってVCにプレゼン・面談をするケース

プロセス②についても同様です。海外のVCに資料を送付するのに、英語での作成が不可欠です。事前に様々な資料を提出し、VCにアポイントをとって、一番最初にすることはプロダクトに関する数分間のプレゼンテーション(ピッチ)です。たった数分のピッチが良くなければ、ゆっくりと話を聞いてもらえず、資金調達の話まで行く前に帰る羽目になるケースも少なくありません。

VCも起業家と同じく、※機関投資家に出資をしてもらい、起業家と数年間協力してスタートアップの成功を目指します。つまり、VCもスタートアップと同じく、機関投資家に向けて、プロダクトの素晴らしさをプレゼンテーションする必要があるのです。

※機関投資家とは、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行、普通銀行、信用金庫、年金基金、共済組合、農協、政府系金融機関など、大量の資金を使って株式や債券で運用を行う大口投資家のことをいいます。

プレゼン・ピッチの成功とはVCが資金調達をすること

上記のプロセス①や②のケースのいずれも、そもそも起業家の英語力がなければ、自分の表現したいことがVCに伝わらず、ディスカッションがうまくいかないことも多いです。ピッチの最終的な成果は「相手の行動」です。つまりVCが資金調達をするか、しないかということです。投資家に事業を理解してもらって、意義のあるディスカッションをできたとしても、実際に投資を決めてお金を振り込んでもらえなくては意味がありません。

このように、スタートアップの起業家は、事業のガソリンである資金調達を受けるために、英語力とプレゼンテーション能力を高めることが不可欠です。

何よりも重要なのはVCとの信頼関係

私見ですが、ピッチはとは、起業家が事業を説明し投資家に資金調達をしてもらうためのものではなく、ピッチとは投資家に同じ船に乗って企業価値を上げる仲間になってもらうための“招待スピーチ”だと考えています。特に投資家の中でもVCというのは本来、ただお金を投資するだけではなく、資本家としてまた当事者として、事業戦略について考えるものです。それゆえに、スタートアップの起業家とVCはお互いに対等かつフェアであるという意識を持つことが非常に重要だと考えています。

 

スタートアップの起業家の方々には、投資家に対して、

「このVC(キャピタリスト)は事業を理解し、本当に自分たちと同じように当事者として事業戦略について考え、二人三脚で伴走してくれるのか」
「自分たちの考えた通りに事業を構築していきたいが、このVCはそれを許容してくれるのか」

などお互いの考え方や相性を確認し、世の中に素晴らしいプロダクトを広めていただければと思います。

The DooRは、スタートアップの起業家の方に、マンツーマンのパーソナルトレーニングで英語・プレゼンテーションの指導をしております。受講生の目標、夢、成功への「入り口」になりたいという想いでThe DooRという名をつけました。The DooRはこれからも世界へチャレンジするスタートアップを応援します。

【プロフィール】

Toshiyuki Takiuchi(瀧内俊之)

関西学院大学で言語学、英語学、欧米文化について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻し、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、NHKドラマで英語指導を担当。その後、大手英語コーチングスクールにて指導経験を積み、独立。ビジネス英語コーチングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、TOEIC® L&Rの指導を行い、3か月で375点のスコアアップを記録。世界で活躍する起業家を育てる「Global Challenge」でビジネス英会話の指導を行い、受講生が、200組のうち、4組の選抜組に入賞。シリコンバレーの海外投資家にプレゼンする権利を獲得させた。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。

Joseph DeChicchis(デキキス・ジョー)

関西学院大学総合政策学部教授。アメリカのペンシルベニア大学で言語学、イタリアのボローニャ大学で記号論、イギリスのサセックス大学で認知科学を学ぶ。現在は言語学、人類言語学、欧米文化コミュニケーションの研究に従事。世界の英語アクセントに精通している。関西学院大学の研究生に対し、言語学や認知科学、英語習得法について指導している。The DooRでは、カリキュラムアドバイザーとして、発音矯正、文法理論、スピーキングスキルの強化など、受講生に対する英語コーチング指導のアドバイスや、教材の監修を担当している。

 

Mitsuru Arakawa(荒川満)

大学卒業後、大手人材紹介会社に入社。大阪支店にて人材紹介の営業に従事。同グループのイギリス法人にて営業マネージャーとして営業体制の再構築を担当、取締役に就任し海外法人の経営に携わる。帰国後、東京本社にて海外就職希望者の海外転職、日系企業の海外進出を支援する部門のマネージャーとして勤務。同社を退職後、シンガポールにてArchAgent Pte Ltdを設立し、代表取締役社長を務める。The DooRでは、グローバルキャリアアドバイザーとして、英語面接の対策、英文レジュメの作成、海外での起業など、キャリアアップに関する英語コーチング指導のアドバイスを行っている。

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