【ファインマンテクニック】ノーベル受賞者から学ぶ「知識をスキルに変える」英語学習法とは?
日本人は英語の知識はあるが、英語を使うスキルがない
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、時間に余裕が生まれ、英語の勉強や、オンライン英会話などの自己投資を始めた方が増えてきています。勉強を始めて、次のような声を聞くことが多いです。
「英文法はある程度わかるが、聞き取りや話すことができない。」
「英語は読めるが、英会話は苦手だ。」
私たち日本人の多くは、中高6年間も英語を勉強して、中高レベルの単語や英文法を理解し、英文は読めるのに、英会話ができません。これはなぜか?それは、私たちが、英語を知識として「知っている」状態で、スキルとして「使える」状態ではないからです。
ファインマンテクニックで「知っている」を「使える」に
それでは、どのようにすれば、私たちは英語をスキルとして習得し、「使える」状態になるのでしょうか?ノーベル賞受賞者のリチャード・ファインマン氏によって考案された「ファインマンテクニック」によってこの問題を解決できます。
実は、筆者もこのテクニックを使っており、優れた効果が出ているトレーニングです。私自身が様々な学習でとりいれているだけでなく、受講生にもこのテクニックを使うよう指導しており、3ヶ月の指導でTOEIC375点のスコアアップ実績があります。もちろん、毎回のトレーニングで英語指導や学習法につい受講生に細かく指導しているため、上記の成果が出ているのですが、ファイマンテクニックは非常に有効であることは間違いないです。
リチャード・ファインマンはアメリカの理論物理学者であり、経路積分という新しい量子化の手法や量子電磁力学、過冷却ヘリウムの超流動、粒子物理学のモデルなど様々な功績で知られています。ファインマンはアメリカの理論物理学者で、1965年にノーベル物理学賞を受賞しました。さらに、イギリスの雑誌「Physics World(物理の世界)」が1999年に行った調査では、世界の有名な物理学者130人の中から歴史上トップ10の物理学者として紹介されています。現代史に残る「天才」と言えるでしょう。
「ファインマンテクニック」は学習した内容の理解力を高めるための効率的な学習法であり、様々な分野で応用できるテクニックとして知られています。このテクニックで重要なのは、自分が勉強しているテーマについて知識のない人へ説明することをデモンストレーションすることです。学習に説明を入れることで、
①自分が理解していなことに気づく
②自分が理解できないことをなくす
③「知っている」知識から「使える」技術になる
ことができ、勉強している内容を完全に理解し、深い知識となり、アウトプットとして使える技術になります。英語学習においても、単なる知識から、「使える」技術にすることができます。
ファインマンテクニックの4つのステップ
知識を技術に変えるファインマンテクニックは下記の4つのステップで構成されています。
ステップ①|学習しているテーマを紙に書く
ステップ②|テーマを簡単な言葉で説明する
ステップ③|理解が不足しているところを復習する
ステップ④|専門用語を簡単な言葉にする
①学習しているテーマを紙に書く
まずは学習をしているテーマや内容のタイトルを、白紙の一番上に書きます。
②テーマを簡単な言葉で説明する
そのテーマについて何も知らない人に説明するつもりで、なるべく簡単な言葉で解説を書きます。子供でもわかるようなレベルで簡単に書くことがオススメです。”Simple is best!”です。これにより、自分が理解できている部分と、まだ理解できていない部分がわかります。もし、説明できなかった部分があれば、次の③で復習をします。
③理解が不足しているところを復習する
②でうまく説明ができなかったところは、自分が完全に理解できていないので、復習することが必要です。教科書や問題集など、勉強している教材に戻り、理解していなかった部分について調べることで、あやふやな理解をしているところをなくしましょう。
④専門用語を簡単な言葉にする
最後に、自分が書いた解説がより簡単な言葉にできないかを考えてみましょう。ここでも、大事なのは、”Simple is best!” 専門用語や難しい表現を子供が聞いてもわかるレベルまで単純な説明にします。初めてそのテーマに触れる人でも理解できる説明にすることが重要です。シンプルな言葉にできたら、あなたはテーマについて完全に理解できていると言えます。英語学習で言えば、使える状態になっていることでしょう。
ファイマンテクニックを英語学習に活かす方法
それでは、実際にファイマンテクニックを英語学習に活かす方法についてお伝えします。
英文法の「be動詞と現在分詞」を例として、挙げます。
①学習しているテーマを紙に書く
まずは学習をしている内容のテーマのタイトル「be動詞&現在分詞」を、白紙の一番上に書きます。
②テーマを簡単な言葉で説明する
学習するテーマ「be動詞&現在分詞」について何も知らない人に説明するつもりで、なるべく簡単な言葉で解説を書きます。ここで説明ができていたら、OK、うまく説明ができなければ、もう一度理解することが必要です。
・うまく説明ができた例
be動詞はネイティブの視点だと「説明するよ!」、現在分詞は「動作の途中」のイメージである。そして、be動詞+現在分詞の形をとる。
I am playing soccer. 「私はサッカーをしているところだ」の文で、「私は説明するよ!サッカーのプレイをしている動作の途中。」→「私はサッカーをしているところだ」という意味になる。
・うまく説明ができなかった例
The car is stopping now. 「車が止まりかけている」の文で、be動詞+現在分詞の形をとる。だが、「車が止まっている?」という訳を思い浮かべてしまった。
この場合、あなたは、現在分詞の「動作の途中」のイメージを理解していないことになります。「現在分詞のstoppingは動作の途中を表す。車は止まるという動作の途中であり、止まっているわけではない。」という理解が不足していたことになります。
③理解が不足しているところを復習する
②でうまく説明ができなかった現在分詞の部分を完全に理解できていないので、復習することが必要です。教科書や問題集など、勉強している教材に戻り、現在分詞の別の例文を見て、再度学習しています。
The old cat is dying. 「年老いた猫は死にかけている」
be動詞はネイティブの視点だと「説明するよ!」、現在分詞は「動作の途中」のイメージである。現在分詞は学校で習ったように「ーしている」と訳詞はいけない。現在分詞は「ーしている動作の途中」の意味になるので、dyingは「死んでいる」のではなく、「死にかけている」とという意味になります。 そして現在分詞を使うときは、be動詞+現在分詞の形をとります。
④専門用語を簡単な言葉にする
最後に、自分が書いた解説がより簡単な言葉にできないかを考えてみましょう。専門用語や難しい表現を子供が聞いてもわかるレベルまで単純な説明にします。例えば、現在分詞なら、「動詞の動詞の原型にingがついたものですよ」という言い換え表現ができます。このレベルまでシンプルにして、あなたははじめて英語を理解し、「使える」状態になっているのです。
まとめ
誰かに教えることで、自分も効率的に学ぶことができる「ファインマンテクニック」。今回は筆者も「be動詞&現在分詞」の具体例を使い、できるだけわかりやすく伝えてみました。実際に成果が出ているテクニックなので、みなさんも是非、使ってみてください。下記の動画を見て、「ファインマンテクニック」を使い、ビジネス英会話を学びましょう。
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