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【workとjobの違い】仕事で使える”正しい”英語フレーズをビジネス英語コーチが解説!

ビジネスで、正しい英語を話せる日本人は少ない

グローバル化が進み、ますますビジネスで英語が必要とされる時代になりました。あなたは、下記の様な経験はありませんか?

「正しい英語を話したはずなのに、ネイティブにきちんと伝わっていない」
「ネイティブとの商談の英会話ですれ違いが多い」

このような経験は、あなただけではなく、日本で英語を学んだ方に非常に多いです。その理由は、学校で、「英語を日本語に直訳すること」を教えるからです。私たちは、「自分が話した英語が、ネイティブにどう伝わるか」を習いません。

これは大きな問題です。日本語訳に基づいて使った英文や単語は、状況によっては、ネイティブに、チグハグな意味で伝わってしまうことが多く、多くの誤解を生んでしまいます。ビジネスで英語を使うときは、ネイティブがイメージする英語の意味を正確に理解し、どのような状況で、その英語が使われるのかを知る必要があります。

ビジネス英語コーチが、自然な英語表現を解説

現在、仕事で英語を使っている方や、今後、仕事で英語を使う可能性のある方は、正しい英語表現ができているか、不安に思われるかもしれません。ですが、ご安心ください。ビジネス英語の指導を専門とする英語コーチが、「自然な英語表現」をご紹介します。この記事では、「work」と「job」の違いについて、解説します。

「work」と「job」の違い

ここで、問題です。「自分の仕事が好きですか?」とネイティブに尋ねるときに、正しい表現は次のどちらでしょうか?

①Do you like your work?
②Do you like your job?

正解は②の「Do you like your job?」です。

workには様々な意味があり、日本人にとって、使い方が難しい単語です。workは「働く」という“行動”全体のことを表し、「働く場所」や、「働く活動」を表す場合に使います。

ですから、「Do you like your work?」は、「あなたがした作業は好きですか?」という意味になります。例えば、芸術家に「Do you like your work?」と聞いた場合、「あなたが作る作品は好きですか?」と尋ねることになります。

【例】
His work is humorous.「彼の作品はユーモアのセンスがある。
Her work is excellent. 「彼女の作品は素晴らしい。」

この他にも、workは働く場所のイメージから、「工場」という意味を表すこともあります。例えば、steel worksは「製鋼所」を指し、「steel factory」と同じ意味になります。

一方、jobは、下記の様に、「自分が雇われている会社や組織」、「自分の職業」などを表します。

【例】
I have a great job. 「私は、最高の会社に勤めている。」
I quit my job as a doctor. 「私は医者としての仕事(職業)を辞めた。」

jobは、他にも、「自分が依頼されている仕事や作業」という意味もあります。

【例】
I have three jobs today.「今日は3つの作業がある。」
I have a big web development job to finish today.「今日は大きいウェブ開発の仕事を終えないといけない。」

もし、あなたが、ネイティブに「携わっている仕事のこと」について尋ねる場合は、「Do you like your job?」 を使いましょう!この他にもよく使われる表現も下記に記載しますので、一緒に覚えましょう!

「work」と「job」を使った応用フレーズ

【例】
How do you like your job?「仕事の調子はどうですか?」
Do you enjoy working there?「その仕事を楽しんでいますか?」

「How do you like〜?」 は、「…をどう気に入っているのか」という意味のフレーズですが、「調子はどうなのか」「問題はないか」ということを尋ねるときによく使います。今回のフレーズでは、仕事について尋ねているので、「仕事がどのように好きですか?→仕事の調子はどうですか?」という意味になります。

このように、単語ひとつとっても、大きく意味が異なります。特に、ビジネスでは正確に自分の意思を伝え、ネイティブの信頼を得ることが重要です。TPOに合わせた、正しいビジネス英語が使えるように、英語を学習しましょう!

この他にも、ビジネス英語について詳しく学びたい方は、下記の動画をご覧ください。


参考文献

BBC Learning English「Ask about English

【プロフィール】

Toshiyuki Takiuchi(瀧内俊之)

関西学院大学で言語学、英語学、欧米文化について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻し、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、NHKドラマで英語指導を担当。その後、大手英語コーチングスクールにて指導経験を積み、独立。ビジネス英語コーチングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、TOEIC® L&Rの指導を行い、3か月で375点のスコアアップを記録。世界で活躍する起業家を育てる「Global Challenge」でビジネス英会話の指導を行い、受講生が、200組のうち、4組の選抜組に入賞。シリコンバレーの海外投資家にプレゼンする権利を獲得させた。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。

Joseph DeChicchis(デキキス・ジョー)

関西学院大学総合政策学部教授。アメリカのペンシルベニア大学で言語学、イタリアのボローニャ大学で記号論、イギリスのサセックス大学で認知科学を学ぶ。現在は言語学、人類言語学、欧米文化コミュニケーションの研究に従事。世界の英語アクセントに精通している。関西学院大学の研究生に対し、言語学や認知科学、英語習得法について指導している。The DooRでは、カリキュラムアドバイザーとして、発音矯正、文法理論、スピーキングスキルの強化など、受講生に対する英語コーチング指導のアドバイスや、教材の監修を担当している。

 

Mitsuru Arakawa(荒川満)

大学卒業後、大手人材紹介会社に入社。大阪支店にて人材紹介の営業に従事。同グループのイギリス法人にて営業マネージャーとして営業体制の再構築を担当、取締役に就任し海外法人の経営に携わる。帰国後、東京本社にて海外就職希望者の海外転職、日系企業の海外進出を支援する部門のマネージャーとして勤務。同社を退職後、シンガポールにてArchAgent Pte Ltdを設立し、代表取締役社長を務める。The DooRでは、グローバルキャリアアドバイザーとして、英語面接の対策、英文レジュメの作成、海外での起業など、キャリアアップに関する英語コーチング指導のアドバイスを行っている。

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