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【TPOに合わせた英語】日常英会話とビジネス英語の違いを英語コーチが解説!映画「マイ・インターン」を使って学ぼう!

映画「マイ・インターン」で実践的な英語力を身につける

映画「The Intern(邦題:マイ・インターン)」のシーンを使って、「日常英会話とビジネス英会話の違い」や「困った人に協力を申し出る英語フレーズ」を学習します。NYでファッションの通販サイトを運営している社長のJulesと、彼女の会社にシニアインターン制度で採用された70歳のBenの会話のシーンです。彼女達の生の英語を聞いて、実践的な英語力を身につけましょう!

記事を読むだけでなく、下記のYouTubeの動画を見ることで、リスニング力、スピーキング力が上がります。【”Study Less, Learn More” 知識よりもスキルを身につける】という筆者のポリシーから、実際にフレーズを会話で使えるようトレーニングできる内容になっています。是非、お役立てください。

シーンのセリフ

So you’re on Facebook, huh?「フェイスブックやってる?」
I joined about ten minutes ago.「10分前くらいに登録したよ」
Well, better late than never.「やらないよりは良いわよ」
〇〇〇〇?「手伝いましょうか?」
I’d love some, but, really, you’ve got better things to do. 「ありがたいけど、忙しいでしょ。」
No, I need a diversion. 「いえ。気晴らしになるわ。」

フレーズの発音(音声変化)

〇〇〇〇に入るフレーズは、Do you want some help?でした。
簡単なセンテンスなのに、聞き取りづらかったと思います。
なぜ、聞き取りづらかったかというと、ネイティブは自分が話しやすいように、音を変えて発音をするからです。これを「音声変化」と言います。ですから、皆さんが予想した音と実際のネイティブの音にギャップが生まれて、聞き取りが難しいわけです。

※音声変化について、詳しくは知りたい方はこちらをご覧下さい。

では、ネイティブがどのように、発音していたかというと、Doとyouを弱形で軽く短く発音していました。 「ドゥー」ではなく「ダ」、「ユー」ではなく、「ヤ」と発音していました。
次に、wantですが、wantのtを落として、発音していました。「ワントゥ」ではなく、「ワン」と発音しています。このように音を落として発音することを「脱落」と言います。ネイティブは発音しづらいtの音を嫌います。tを発音しない方がはるかに喋りやすいです。

helpも同様に、pを落として発音していました。「ヘァプ」ではなく、「へァ」と発音していました。pもt同様に、発音が面倒な音です。helpのlはdark lと言って、暗いlの音になります。「ル」ではなく、舌を引くァの音になります。以上をまとめると下記の発音になります。

Do you want some help?
ダヤ ワン サム ヘァ

フレーズの意味と言い換え表現(日常英会話とビジネス英会話の違い)

Do you want some help?は自分から相手に「私が〜しましょうか?」と協力を申し出るときに使われます。ビジネスでも使用できますが、少しカジュアルな表現になります。基本的には、同僚や友人に使えるフレーズです。同じ意味のフレーズとして、Do you need some help?やDo you want me to help?があります。この中で、もっとも使われる表現は、Do you want me to help?です。ビジネスシーンで、上司にも使えるフォーマルなフレーズは、Would you like some help?やWould you like me to help?があります。

シーン全体(その他の使えるフレーズ)の解説

So you’re on Facebook, huh?ですが、「フェイスブックやってる?」という意味です。onは接触がコアイメージなので、「ずっと接触している」→「継続して行う」という意味になります。それで、on Facebookが(継続的に)やっているという意味になります。

同様に、Are you on Instagram?なら、「インスタやってる?」Are you on Twitter?なら、「Twitterやってる?」の意味になります。便利なフレーズなので、是非、覚えましょう!

I joined about ten minutes ago.「10分前くらいに登録したよ」
これはそんなに難しくない英文ですね。Aboutは「約」という意味です。

続けて、Well, better late than never. ですが、この表現はIt’s better to do something late, than to never do it. の文を省略した表現です。つまり、「何かを遅くやる方がやらないより良い」という意味になります。省略したBetter late than never.の方が会話でよく使われます。

Do you want some help? は先ほど、解説した通りです。

次のI’d love some, but ,really, you’ve got better things to do. ですが、I would love some help, but really, you have got better things to doの略です。wouldはwillの婉曲形です。控えめに自分の意志を表す表現になります。

※助動詞のwillについて詳しく知りたい方は下記の動画をご覧ください。

ですから、would love some helpは「お手伝いいただきたい」という意味になります。better things to doは 「やるべきより良いこと」→「もっとやりがいのあること」という意味です。

have better things to doで「やりがいのあることを持っている」→「やりがいのあることがある」という意味です。have got better things to doも意味は同じですが、よりカジュアルな表現になります。JulesもBenも、カジュアルな言葉遣いをしているので、二人の関係性がかなり近いことが予想されます。

最後の、No I need a diversion. 「いえ。気晴らしになるわ。」という意味です。
diversionは「気晴らし」という意味の名詞です。こちらも会話でよく使われるので、是非、覚えましょう!

TPOに合わせて日常英会話とビジネス英会話を使い分ける

このように、登場人物のお互いの関係性やシチュエーションによって、使われるフレーズは変わります。TPOに合わせた適切な英語表現をすることで、日常生活やビジネスで相手から信頼を得られるようになります。

海外旅行での英会話は、相手に通じれば、特に問題にはなりません。しかし、ビジネスシーンで英語を使う場合は、取引先に誤解されないような英語表現をする必要があります。ちょっとしたフレーズの使い方で相手への印象が大きく変わることを肝に銘じておきましょう。

※ビジネスで使ってはいけない英語表現についてはこちらをご覧ください。

自然な英語を話す2つの秘訣

それでは、スピーキングのトレーニングにうつりましょう。筆者は、米国の舞台や日本の映像作品での俳優経験と、大学で専門的に学んだ言語学の知見を活かし、短期間で受講生の英語力を大きく伸ばしてきました。読者の皆様に、映画を使って、効果的にスピーキング力を伸ばすメソッドを2つご紹介します。

1つ目は、シーンの文脈からセリフを言うことです。Julesになりきって、Do you want some help?のセリフを言いましょう。JulesもBenもお互いにリスペクトがあり、良い人間関係であると言うこと、職場で仕事をするだけの関係ではないと言うことです。JulesはBenに対して、好意的であり、親切な気持ちを持っています。皆さんも、そういった文脈や登場人物の気持ちをイメージして、このフレーズを言ってみましょう。

2つ目は相手のセリフをよく聞くことです。Benのセリフをよく聞いてください。プロの俳優と、アマチュアの俳優の演技の違いが一番出るのが、この部分です。熟練された俳優ほど、相手のセリフをよく聞くので、自然な演技ができます。逆に、下手な俳優ほど、自分のセリフだけに集中して不自然な話し方をします。

英語も同じです。セリフを自分の言葉にするために、相手の言葉に意識を向けましょう。これを実践すると、あなたは、リスニング力が上がるだけでなく、より自然な英語をしゃべることができます。また、シーンを想像して、フレーズを自分の感情と結びつけることで、長期的にフレーズを記憶し、リスニングやスピーキングで使えるスキルになります。ただ、習った言葉を言うだけでは、不十分です。英会話の基本は「言葉のキャッチボール」です。これを意識してください。

以上を踏まえて、もう一度動画をご覧ください。実践的な英会話スキルが高めましょう!

※英語学習は継続が重要です。毎日少しずつでもいいので、トレーニングしましょう。
Study Less, Learn More!

【プロフィール】

Toshiyuki Takiuchi(瀧内俊之)

関西学院大学で言語学、英語学、欧米文化について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻し、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、NHKドラマで英語指導を担当。その後、大手英語コーチングスクールにて指導経験を積み、独立。ビジネス英語コーチングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、TOEIC® L&Rの指導を行い、3か月で375点のスコアアップを記録。世界で活躍する起業家を育てる「Global Challenge」でビジネス英会話の指導を行い、受講生が、200組のうち、4組の選抜組に入賞。シリコンバレーの海外投資家にプレゼンする権利を獲得させた。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。

Joseph DeChicchis(デキキス・ジョー)

関西学院大学総合政策学部教授。アメリカのペンシルベニア大学で言語学、イタリアのボローニャ大学で記号論、イギリスのサセックス大学で認知科学を学ぶ。現在は言語学、人類言語学、欧米文化コミュニケーションの研究に従事。世界の英語アクセントに精通している。関西学院大学の研究生に対し、言語学や認知科学、英語習得法について指導している。The DooRでは、カリキュラムアドバイザーとして、発音矯正、スピーキングスキルの強化、プレゼン対策など、受講生に対する英語コーチング指導のアドバイス、教材の監修を担当している。

 

Mitsuru Arakawa(荒川満)

大学卒業後、大手人材紹介会社に入社。大阪支店にて人材紹介の営業に従事。同グループのイギリス法人にて営業マネージャーとして営業体制の再構築を担当、取締役に就任し海外法人の経営に携わる。帰国後、東京本社にて海外就職希望者の海外転職、日系企業の海外進出を支援する部門のマネージャーとして勤務。同社を退職後、シンガポールにてArchAgent Pte Ltdを設立し、代表取締役社長を務める。The DooRでは、グローバルキャリアアドバイザーとして、英語面接の対策、英文レジュメの作成、海外での起業など、キャリアアップに関する英語コーチング指導のアドバイスを行っている。

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